- このコラムのまとめ
- 「障害者雇用の面接ってどんな質問を聞かれるの?」「面接を通過できるかどうか不安」と悩んでいる人も多いのではないでしょうか。面接と聞くと緊張してしまうかもしれませんが、障害者雇用の面接はある程度聞かれる質問が決まっており、事前に回答を考えておくことでスムーズに受け答えができますよ。そこで今回は、障害者雇用の面接でよくある質問と答え方のコツ、回答例を解説し、面接で押さえておきたいポイントもあわせて解説します。障害者雇用の面接に関して不安がある人は、ぜひ参考にしてください。
もくじ
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障害者雇用の面接時によく聞かれる質問例は?答え方のコツや回答例を紹介
障害者雇用の面接時によく聞かれる質問は、ある程度傾向があります。また、志望動機のように一般的な面接と共通する質問も多くあります。以下で、障害者雇用の面接時によく聞かれる質問例と、答え方のコツ、実際の回答例を紹介しているので参考にしてください。
基本情報・自己理解に関する質問例と回答例
障害者雇用の面接では、自己紹介に代表される基本情報や障害に対する自己理解などに関連する質問が頻出します。以下で、志望者がどんな人かや、自身の状態を把握できているかを見るためにされる質問例と回答例を紹介します。
自己紹介、自己PRをお願いします
「自己紹介、自己PRをお願いします」は、面接のはじめに聞かれることが多い質問です。面接官は志望者がどんな人なのか、どのような経験をしてきたか、働くうえでの姿勢を知りたいと考えています。
答えるときは、現在の状況・これまでの経験・できること(強み)という流れにすると伝わりやすいでしょう。具体的な強みが見つからない場合は、自分でできる範囲の業務や、工夫していることを述べても問題ありません。
自己紹介は、あくまで面接を進めるための入口なので、無理に良く見せようとせず、簡潔に落ち着いて話すことが大切です。
【回答例】
「〇〇と申します。前職では事務の仕事をしていました。データ入力や書類整理の作業が中心で、丁寧に間違いがないように進めることを心がけていました。仕事では、決められた手順をミスなく正確に行うことが得意です。よろしくお願いいたします。」
ご自身の障害について教えてください
「ご自身の障害について教えてください」という質問では、評価されるのは障害の種類や程度ではなく、自分の状態を理解し、働き方に結びつけて説明できるかという点です。
回答する際には、病名を述べた後、どんな状態なのか、仕事中に起こりやすいこと、対処方法の順に話しましょう。症状は隠さず、淡々と話すことが大切です。また、医療的な説明を長くする必要はありません。働くうえで関わる部分だけに絞って話すと、相手にとって理解しやすい説明になりますよ。
【回答例】
「うつ病の治療を続けています。仕事中にときどき疲れが出ることがありますが、こまめに休憩をとることで対処可能です。落ち着いて少し休めば、問題なく業務に復帰できます」
最近はどのような調子ですか?
「最近はどのような調子ですか?」と、体調に関して尋ねられるのもよくある質問です。現在、安定して働ける状態かどうかや、体調や気分にどの程度の波があるかを確認されています。
体調の不安定さを隠す必要はありませんが、そのままで終わる言い方にすると、仕事への影響を心配される可能性があります。そのため、体調の説明に加えて、自分が普段どのように身体の調子を整えているかまで話すと伝わりやすくなります。改善や維持のために意識していることを言葉にすると、自己管理できている印象を与えられるでしょう。
【回答例】
「現在はかなり落ち着いています。通院と投薬で体調が安定していて、生活リズムも整えられています。疲れが出たときは短い休憩を入れられれば、仕事に支障なく取り組めます」
あなたの強みと弱みをそれぞれ教えてください
志望者の強み・弱みに関する事項は、面接で頻出する質問です。強みだけを伝えるのではなく、弱みも合わせて話し、その弱みに対してどのように工夫しているかを述べれば、自己理解の深さと安定して働く姿勢を示すことができますよ。
強みは仕事で役立つスキルを選ぶと伝わりやすく、弱みは苦手だけれども、工夫によって調整できている点を中心に話しましょう。
【回答例】
「私の強みは、丁寧に仕事を進められる根気強さです。手順やマニュアルなどを逐一確認をしながら進めることで、ミスを減らすように心がけています。弱みは、急な変更があると戸惑いやすいところです。事前に指示をメモにまとめるなどの工夫をして、焦らないよう落ち着いて対応しています」
働き方・配慮事項に関する質問例と回答例
障害者雇用の面接では、障害を抱えつつどのように働けるかや、職場での配慮について質問されます。以下で質問例と回答例をセットで解説しているので、参考にしてください。
職務において会社で配慮してほしいことがあれば教えてください
企業は障害者に対して合理的な配慮をすることが義務付けられています。そのため、働くうえで必要な配慮にはどのようなものがあるかを確認されます。
回答の際は、まずどんな場面で困りやすいかを伝え、必要な配慮を提示しましょう。最後に配慮があると安定して働ける理由で結ぶと伝わりやすくなります。配慮の内容は具体的で簡潔に。無理のない範囲でのように抽象的に伝えると、業務との結びつきが判断しづらくなるため注意が必要です。
【回答例】
「集中する場面では、周りの音が気になりやすいことがあります。席の配置や、イヤホン使用の許可などをご相談できると、落ち着いて業務に取り組めます」
勤務中に体調不良になった場合、対処方法はありますか?
勤務中に懸念される体調不良などに関しても、障害者雇用の面接ではよく聞かれます。面接官は体調が崩れたときに自分で状況を整える方法があるかや、急な不調が業務にどの程度影響するかをチェックします。
回答するうえで大切なのは、対処の具体性。単純に「休憩します」ではなく、どのように気持ちや体調を落ち着けるかまで話すと、面接官は志望者が働いている姿をイメージしやすくなりますよ。具体的な対処方法を提示し、対処の結果安定して働ける、という流れでまとめると安心感を与えられるでしょう。
【回答例】
「体調が崩れそうなときは、一度席を離れて水を飲んだり、少し歩いたりすることで気持ちを落ち着けています。このような対応を行い、可能な限り業務を中断せずに心身を整えることができています」
薬を飲む頻度・副作用の有無を教えてください
服薬による仕事への影響があるか、体調管理が安定してできているかも障害者雇用の面接特有の質問です。自分の状態を把握し、コントロールできているかどうかを見られます。
答えるときは、薬の名前や詳しい成分を話す必要はありません。仕事に関係する部分だけに絞りましょう。具体的には、服薬のタイミング、副作用の有無、副作用が出た場合の対処方法の順に簡潔に伝えてください。
【回答例】
「通常は朝と夜の服薬だけで、状態は安定しています。体調が落ちたときには、医師の指示に従って頓服を使うことがあります。副作用が出た場合でも、短い休息を取れば落ち着き、業務を続けられる場合がほとんどです」
通院の頻度や時間帯はどのくらいですか?定期的な通院はありますか?
通院が勤務時間にどの程度影響するかや、職場と調整しながら働けるかを確認される質問です。通院そのものは問題ではなく、通院の頻度・時間帯・勤務とのバランスが取れるかどうかをチェックされます。
回答するときのポイントは、通院の頻度と時間帯、勤務との調整が必要かを的確に伝えること。あわせて、面接官に働いている際のイメージを想像させられるような一言を添えられると印象がよくなります。
【回答例】
「定期的な通院は月に1回で、平日の夜に通っています。勤務時間にはほとんど影響はありません。もし必要な場合は、事前にご相談して時間を調整させていただければと考えています」
睡眠時間はどのくらいですか?生活リズムも教えてください
障害の種類によっては睡眠時間が短く、生活リズムが乱れがちになるため、仕事に影響はないかチェックされる場合があります。
睡眠時間は一般的に大人で7〜9時間が目安とされますが、必ずしも目安に合わせる必要はありません。大切なのは自分にとって安定した睡眠がとれているという点です。正直に答えたうえで、調子を整えるために意識していることを短く添えると、自己管理ができている印象を与えられます。
【回答例】
「夜はだいたい23時頃に寝て、朝は7時前後に起きています。生活リズムは安定しており、日中も集中して作業できています。体調を整えるために、就寝前はスマートフォンを見ないようにして、眠りやすい環境を作っています」
残業は可能ですか?
残業が可能かどうかは、一般の面接でもよくある質問です。残業ができないこと自体が問題になるわけではなく、無理なく働ける範囲を理解しているかどうかをチェックされます。
回答は現在の体調を基準にして、勤務可能な時間を具体的に示しましょう。例え残業が不可の場合も、その理由を短く説明し、通常勤務で安定して働けることを伝えるのが無難です。また、可能な範囲で、事前に予定がわかる場合のみなど、条件付きの伝え方でも問題ありません。
【回答例】
「基本は定時が希望ですが、事前に予定が分かっている場合であれば、短時間の残業には対応できます。無理のない範囲で、体調と相談しながら進めていく形が働きやすいです」
得意な仕事・苦手な仕事を教えてください
得意・苦手な仕事は、どのような作業なら安定して取り組めるかや、負担になりやすい場面は何かを知ることで、業務のミスマッチを防ぐ目的で聞かれる質問です。
回答時は、抽象的になりすぎないように注意しましょう。例えばコミュニケーションが苦手ですと言うだけでは、相手は仕事への影響を判断できません。単純に苦手なことを述べるだけでなく、苦手を克服する対処法などを添えると、仕事への前向きな姿勢が伝わります。
【回答例】
「得意な仕事は、手順が決まっている作業や、丁寧に確認しながら進める業務です。書類整理やデータ入力などは落ち着いて取り組めます。苦手な仕事は、急に作業内容が変わる場面です。ただ、指示をメモにまとめてから取り組むことで、落ち着いて対応が可能です」
休日はどのように過ごされていますか? ストレスの発散方法はありますか?
仕事と休息のバランスが取れていると、安定して働ける可能性が高いと判断されやすくなります。無理をせず、調子を整える時間を取れているかが重視されます。
答え方のコツは、どんな過ごし方をしているか、その過ごし方がどのように体調や気持ちの安定につながっているか、の順で話すこと。ストレス対処法・発散法と言われると難しく感じるかもしれませんが、気持ちを落ち着かせるために普段している工夫をそのまま伝えれば十分です。
【回答例】
「休日は、散歩をしたり、読書をしたりして過ごしています。外に出て体を動かすと気分が落ち着きやすく、ストレスの調整にもつながっています。リラックスする時間を設けることで、平日の仕事に集中できています」
これまでの仕事経験・退職理由に関する質問例と回答例
これまでのキャリアや、前職の退職理由などに関する質問は、障害者雇用・一般問わず面接でよくある質問の筆頭格です。以下で質問例・回答例を紹介します。
前職やキャリアについて教えてください
これまでの経歴に関する質問は、一般的な面接でも必ずといっていいほど聞かれます。長い説明は必要なく、経験した主な業務内容を簡潔にまとめて伝えることが大切です。
回答の流れとしては、職種・担当した業務を解説し、仕事で意識していたことや工夫した点を述べ、今後の仕事でも活かせる部分も添えると、過去から未来への導線がスムーズにつながりますよ。仕事内容を箇条書きのように並べるより、どんな働き方ができるかを意識しましょう。
【回答例】
「これまでに事務と接客のどちらも経験しました。どちらの仕事でも共通して、相手の状況や業務の流れを確認しながら、焦らず取り組むことを大切にしていました。丁寧に仕事を進められる姿勢は御社の業務でも役に立つと考えています」
前職の退職理由はなんでしょうか?
前職がある場合は、退職理由も聞かれる可能性が高いといえます。面接官は、働けなくなった原因が何だったのか、同じ状況がこの会社でも起こりうるかを確認しています。
重要なのは、前職の不満をそのまま言わないこと。例えば環境が合わなかった、体調が悪化しただけで終えた場合、また同じ状況になったら辞めてしまうのではないかと懸念されてしまいます。
回答を考えるときには、退職に至った状況、退職から学んだこと・気づき、今後の仕事との向き合い方の順でまとめると伝わりやすいでしょう。原因を他者に向けるのではなく、自分の状態と向き合った結果、今は働ける準備ができているという流れにします。
【回答例】
「前職では残業が多く、体調が安定しにくい状況が続いていました。そのため、治療と生活リズムを整えることを優先し、退職しました。現在は通院と生活調整により体調が安定していて、無理のない範囲で働けるようになっています」
前職で仕事をしているとき、ストレスを感じたシチュエーションはありましたか?
どんな場面で負担がかかりやすいのか、ストレスを感じたときにどのように対処できるのかを確認するための質問です。ストレスを感じたことを否定する必要はありませんが、感情的な表現は避けましょう。
回答は、ストレスを感じた具体的な場面、どんな困難に直面したか、その経験をどのように活かせるかの流れでまとめると明快です。
【回答例】
「繁忙期で作業量が増えたときに、時間に追われる感覚がストレスになりやすいと感じました。優先順位を上司に確認して、順番に進めることで、落ち着いてこなせるようになりました」
これまでの仕事で、リーダーシップを発揮した経験はありますか?
人と関わる場面でどのような役割をとることができるか、状況に応じて周囲と連携できるかを確認される質問です。リーダーシップというと先頭に立って仕事を進めていくイメージがありますが、求められているのは大きなチームをまとめた経験ではありません。指示を出すだけでなく、状況を整える、周りを支えるといった関わり方も含まれます。
経験を話すときには、仕事で起こった問題を提示し、そのとき自分がとった行動を述べ、どのような結果が出たかを簡潔にまとめてください。できるだけ具体的な作業内容に落とし込むと、伝わりやすくなりますよ。
【回答例】
「前職では、書類整理の業務でメンバー同士で手順に違いが出ていたことがありました。そのため手順を簡単にまとめて共有し、同じ流れで作業できるようにしました。全体のミスが減り、スムーズに進められるようになりました」
志望動機・入社後のイメージに関する質問例と回答例
障害者雇用の面接では、この会社を選んだ理由や、ミスマッチなく働けるかなどと関わる質問も頻出します。一般的な面接でもよく聞かれる内容なので、ありきたりな答えにならないよう、質問例や回答のコツをチェックして、自分にあった回答を作成してみてください。
転職を希望する理由を教えてください
転職を希望する理由を答えるときには、前職の話は短く済ませましょう。前職で難しかった点を述べ、今後はどのような働き方をしたいかという形で、前向きにまとめます。また、安定して働きたいという軸を設定するのもおすすめ。障害者雇用の面接では、自然な動機として受け止められます。
【回答例】
「体調と働き方のバランスを見直したいと考え、転職を希望しました。決められた手順で落ち着いて作業できる環境であれば、安定して働くことができるため、そのような職場を探しています」
志望動機を教えてください
志望動機は、面接時に必ず聞かれる質問です。面接官は熱意だけでなく、仕事内容と志望者の特性が結びついているかを見ています。
回答の考え方としては、会社や業務内容に魅力を感じた点を述べ、自分の強みや働き方と合っている理由を提示し、入社後どのように取り組みたいかの順で話すとスムーズです。
【回答例】
「御社では、手順に沿って正確に作業を進める業務が多い点に魅力を感じました。私は確認しながら丁寧に取り組む作業が得意で、この働き方であれば安定して力を発揮できます。落ち着いて作業に向き合いながら、ミスを減らす工夫を続けていきたいと考えています」
あなたの強みが当社で活きる場面はありますか?
強み・弱みに関する質問と似ていますが、こちらはより業務に即した内容です。面接官は、強みがどの場面で役立つかを、具体的にチェックしたいと考えています。単純に強みを述べるのではなく、仕事の流れの中でどのように活かせるかを具体的に伝えると、説得力が生まれますよ。
【回答例】
「同じ作業を継続して行うことが得意です。ルーティンワークでも集中力を保って取り組めるため、日々の業務を安定して進める場面で力を発揮できると考えています」
逆質問では仕事に対しての姿勢や熱意をアピールしよう
面接では、終盤に「何か質問はありますか?」と聞かれる逆質問が設けられます。逆質問は形式的なものではなく、受け答えを通して仕事に向き合う姿勢や、働くうえでの不安や疑問を自分で整理できているかを見る重要な項目です。
逆質問をしないと評価が下がるわけではありませんが、「とくにありません」とだけ答えてしまうと、仕事の内容や環境について考える余地が少ないように受け取られることがあるため、あらかじめ質問を用意しておくとよいでしょう。
逆質問の内容は、難しく考える必要はありません。実際の働き方をイメージするうえで知りたいことを、落ち着いて確認すれば十分です。例えば作業手順が決まっているか、困ったときに相談できる窓口はあるか、一日の業務の流れはどのように進むかなど、日々働く場面を思い浮かべながら質問するとよいでしょう。
通過率が上がる!障害者雇用の面接で押さえておきたいポイント
障害者雇用の面接を受けるうえでは、いくつかの押さえておきたいポイントや注意点があります。それぞれ面接の通過率を上げるために重要な項目なので、ぜひチェックしてみてください。
身だしなみはしっかりと。服装マナーを守ろう
一般的な面接でも障害者雇用の面接でも、身だしなみは基本的なマナーとして見られています。清潔感があるかや、相手に不快感を与えないかが重要です。とはいえ、無理におしゃれをしたり、かしこまりすぎたりする必要はありません。シンプルなシャツやジャケットを選ぶなど、無理のない範囲で整えれば十分です。
また服装だけでなく、髪型・爪・靴の状態なども注意したいポイント。例えば髪なら、長い場合は軽くまとめましょう。前髪が目にかからないようにすると、しっかり顔を見せられて好印象です。またワックスはつけすぎず、ベタつきやテカりが出ないようにしてください。髪色は自然に近ければ問題ありません。
爪は短く切っておくのが大切。ネイルやカラーは控えめにしましょう。透明・ベージュ系なら自然です。靴は革靴やシンプルな色味の靴が無難。埃や汚れが付着していたり、かかとが潰れていたりするものはNGです。
加えて、派手なアクセサリーや香りの強い柔軟剤・香水は避け、落ち着いた雰囲気を意識しましょう。なお体調や特性によって整えるのが難しい部分がある場合は、できる範囲で整えることを目指しましょう。
敬語は正しく使おう。丁寧すぎる敬語は控えて
丁寧な言葉づかいは、社会人において当然のマナーです。ただし、丁寧にしようと意識しすぎて「〜させていただいております」「〜でよろしかったでしょうか」など、まわりくどい敬語になってしまうと、かえって緊張していると受け取られたり、不自然な印象につながったりする可能性があります。
面接で大切なのは、相手にとって聞き取りやすく、落ち着いて話せること。普段使わない言い回しを急に使う必要はありません。「です」「ます」を基本に、しっかり区切って話せば十分伝わります。
もし言葉に詰まってしまっても、言い直して構いません。面接官は言葉の綺麗さそのものよりも、会話のキャッチボールができるかを重視しています。
一方的に話をするのはNG
一方的に話をするのは、面接でやってはいけない行為のひとつ。自分のことをしっかり伝えようとするあまり、つい説明が長くなったり、不安から急いで話したりしてしまうことがあります。一方的に話し続けてしまうと、面接官は何を大事にしているのか理解しづらくなるため注意が必要です。
質問に対しては、できるだけ簡潔に答えることが重要。面接は自分だけが話す場ではなく、相手との対話の時間です。さらに落ち着いたペースで会話の流れを意識しながら喋れば、自然なコミュニケーションができるでしょう。
面接官の目を見て、落ち着いて話すと自信が伝わる
面接官は、姿勢や視線を通してきちんとコミュニケーションできるかを確認しています。面接時には面接官の目を見て、落ち着いて話すと自信が伝わり、好印象を与えられますよ。
とはいえ、無理に見続ける必要はありません。相手の目を一瞬見たのち、鼻やあご・ネクタイのあたりを見るだけでも、しっかりと向き合っている印象が伝わりますよ。
落ち着いて話すためには、話すスピードを少しゆっくりにするだけで十分な効果があります。句読点を意識して区切って話す、息を吸う時間をつくることを心がけてみてください。
自分の障害をしっかり理解して、的確に伝える
障害者雇用の面接では、自分が障害についてどの程度理解しているかが重視されます。求められているのは病名や診断内容を詳しく説明することではなく、どういう状態になりやすいのか、仕事中に気をつける点は何か、安定して働くために自分が行っている工夫は何かを的確に伝えられるかです。
自分の状態を実際よりも良く見せる必要はありませんが、不安を強調しすぎても面接官に不安感・不信感を与えてしまう可能性があります。的確に伝えるためには、困りやすい場面、対処の方法、対処の結果といった順でまとめましょう。自然な流れになり、わかりやすい印象を与えられますよ。
障害者雇用の面接対策には、支援機関の活用も検討してみて
障害者雇用の面接対策には、支援機関の活用も検討してみるとよいでしょう。障害者雇用の面接は、自分だけで準備しようとすると、何をどう伝えれば良いのか迷ってしまうことがあります。
そこで活用したいのが、ハローワーク・就労移行支援事業所・地域障害者職業センターなどの支援機関。障害のある人が働くためのサポートを行っており、面接対策や履歴書の作成、働き方の相談を無料で受けられる場合があります。
支援機関を利用するメリットは、面接官が何を見ているか、どのように伝えると自分の強みが相手に届くかを、専門の立場から具体的にアドバイスしてもらえる点です。実際の面接を想定した練習(ロールプレイ)を行うことで、話す内容だけでなく、話す順番や視線、声の出し方といった細かい部分も確認できますよ。
面接を滞りなく進めるためには、ある程度のスキルが必要です。面接の練習をしっかり行えば、採用される確率もアップするでしょう。
まとめ
今回は、障害者雇用の面接でよくある質問と回答例を解説し、面接で抑えておきたいポイントもあわせて解説しました。障害者雇用の面接といっても、根本は一般的な面接とそれほど変わりはありません。自分がその会社に入ることで何ができるかや、長く働き続けるかをアピールできれば、採用される確率も高くなるといえるでしょう。