公開日:2025.06.04

自律神経失調症の方に向いている仕事とは?特徴と仕事選びのポイントを徹底解説

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自律神経失調症の方に向いている仕事とは?特徴と仕事選びのポイントを徹底解説
このコラムのまとめ
自律神経失調症の方は、柔軟な勤務時間や在宅勤務が可能で、ストレスが少なく自分のペースで進められる仕事が向いています。特に、IT業界やライター、イラストレーターなどのクリエイティブ職、事務職などが挙げられます。仕事選びの際は、自身の体調の波を理解し、柔軟な勤務形態やストレスの少ない環境を重視することが重要です。

もくじ

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自律神経失調症の方に向いている仕事の特徴7選

自律神経失調症の方が無理なく長く働くためには、症状の特性に合った環境で仕事をすることが重要です。ここでは、自律神経失調症の方に向いている仕事の特徴を7つご紹介します。

①勤務時間が柔軟な仕事

自律神経失調症の方は、調子の波が大きいという特徴があります。そのため、固定的な勤務時間よりも、自分の体調に合わせて働ける柔軟な勤務形態の仕事が向いています。フレックスタイム制や裁量労働制を導入している会社、時短勤務が可能な企業などが当てはまります。

②在宅やリモートワークが可能な職種

通勤によるストレスや体力消耗を避けられる在宅ワークやリモートワークは、自律神経失調症の方に適しています。自分のペースで休憩を取りやすく、体調に合わせて仕事の時間帯を調整できる点も大きなメリットです。

ただし、在宅には「ONとOFFの境目が消える」という落とし穴があります。
パジャマのままダラダラ仕事をしたり、昼夜逆転したりすると、かえって自律神経を乱す原因になります。「始業前には必ず着替える」「夜はパソコンを閉じる」といった、脳を切り替える儀式を持つことが長く続けるコツですよ。。

キャリアカウンセラー

③ストレス要因が少ない環境の仕事

自律神経失調症の原因は、社会的ストレスや環境の変化などが考えられています。締め切りに追われることが少なく、人間関係の調整が複雑でない、突発的な業務変更が少ない職場環境が理想的です。

④自分のペースで進められる仕事

自律神経失調症の方は疲れやすく、回復に時間がかかる傾向があります。成果物で評価される制作系の仕事や、一人作業が中心の職種など、自分のペースで進められる仕事は無理なく働き続けるのに適しています。

⑤「気疲れ」を物理的に減らせる環境

自律神経が乱れている時は、他人の感情や話し声に対して過敏になりがちです。「空気を読む」ことだけで、仕事のエネルギーの大半を使ってしまうことも少なくありません。
そのため、チームで足並みを揃える仕事よりも、「自分の担当範囲を一人で黙々とこなす仕事」が精神安定上、非常に楽です。電話ではなくチャットやメールが中心の職場なら、着信音にビクッとするストレスからも解放されます。

⑥体の「バッテリー切れ」に備える

「昨日は元気だったのに、今日は体が鉛のように重い」。そんな急激な変動が起きるのがこの病気の特徴です。
立ち仕事や力仕事は、体調不良時の逃げ場がないためリスクが高すぎます。座ってできるデスクワークを中心に選び、さらに言えば「疲れたらこっそり深呼吸できる」ような、監視の目が厳しくない環境が理想的です。

⑦「朝の絶望感」を救う制度があるか

自律神経失調症の方にとって、最大の鬼門は「朝」です。目覚ましが鳴っても体が動かない時、「遅刻確定だ」と絶望するか、「フレックスだから11時に行けばいいや」と安心できるか。この違いが、仕事を続けられるかどうかの分かれ道になります。
給与の高さよりも、「フレックス制度」や「時間単位の有給休暇」が実際に使われているかを、最優先でチェックしてください。

これらの条件は、「わがまま」ではありません。あなたが長く戦力として働くために必要な「命綱」です。では、具体的にどんな職種ならこれらの条件を満たしやすいのか、次で詳しく見ていきましょう。

自律神経失調症の方におすすめの具体的な職種10選

前章では自律神経失調症の方に向いている仕事の特徴をご紹介しました。ここでは、それらの特徴を踏まえた具体的な職種を10種類ご紹介します。自分の興味や適性、スキルと照らし合わせながら、検討してみてください。

Webデザイナー・プログラマー

IT業界の仕事は、リモートワークが浸透していることが多く、自宅で働ける環境が整っています。フレックス制を導入している企業も多いため、体調に合わせた勤務が可能です。

ライター・編集者

WebコンテンツやSNS記事の需要増加により、在宅で働けるライターの求人が増えています。自分のペースで執筆・編集作業ができ、専門分野の知識を活かせる点も魅力です。

イラストレーター・グラフィックデザイナー

創作活動は自分のペースで進められ、精神的なリフレッシュ効果もあります。在宅やフリーランスの働き方が選択でき、自分の得意なスタイルを活かせます。

「サプライズ」のない毎日を守る(事務職・一般職)

特に大手企業や公的機関の事務職をおすすめする理由は、福利厚生だけではありません。「業務がマニュアル化されており、代わりの人がいる」という点です。
「私が休んだら現場が回らない」というプレッシャーは、体調を悪化させます。「いざとなれば誰かが代われる」という組織の厚みが、結果的にあなたを休職リスクから守ってくれます。

脳のエネルギーを節約する(入力業務・文字起こし)

自律神経が乱れると、複雑な思考や企画立案が難しくなる日があります。
データ入力やテープ起こしは、ある意味で「正解が決まっている作業」です。クリエイティブな生みの苦しみがない分、脳のバッテリーが切れかけている日でも、手を動かすことで着実に成果を出せます。

オンライン指導は対面より精神的な負担が少ない場合が多いですが、授業準備などの時間も考慮して、無理のないスケジュールを組むことが大切です。

オンライン英語講師

図書館司書

静かで落ち着いた環境で働け、定型業務が多く予測可能性が高いのが特徴です。シフト制で働ける場合が多く、公共機関のため福利厚生が整っています。

コールセンタースタッフ(在宅)

近年増えている在宅コールセンターの仕事は、通勤の必要がなく、シフト制で自分の調子がよい時間帯を選べる場合があります。特にメールやチャット対応であれば、ストレスが比較的少ないでしょう。

オンライン講師・家庭教師

授業のスケジュールを自分で調整できる場合が多く、オンラインでの指導なら通勤の負担もありません。生徒との1対1の関係で人間関係が比較的シンプルなのも魅力です。

EC運営スタッフ

ネットショップの運営に関わる業務は、リモートワークが可能で、商品登録や在庫管理など定型的な業務が多いのが特徴です。特に自分の興味がある分野のECサイト運営であれば、モチベーションも保ちやすいでしょう。

農業・園芸関連の仕事

自然と触れ合いながら働ける環境は、自律神経のバランスを整えるのに効果的です。季節のリズムに合わせた規則的な生活ができ、自分のペースで作業を進められる場合が多いのも魅力です。

これらの職種はあくまで一例です。自分の興味や適性、経験を考慮しながら、自律神経失調症の症状と上手に付き合える仕事を選ぶことが大切です。

自律神経失調症の方が仕事を選ぶ際の5つのポイント

自律神経失調症の方が仕事を選ぶ際には、単に「どんな職種が向いているか」だけでなく、自分の症状や働き方の希望に合わせた選択が重要です。ここでは、仕事選びを成功させるための5つの重要なポイントを紹介します。

①自分の症状のパターンを把握する

自律神経失調症の症状は人によって異なり、また同じ人でも時期によって症状の出方が変化します。どのような状況で症状が悪化するか、一日の中で調子が良い時間帯はいつか、症状の波の周期はどのくらいかなど、自分の体調パターンを把握しておくことが重要です。

私の場合、午前中よりも午後の方が調子が良いことが多く、この傾向を把握したことで午後からのシフトを中心に働く方法を選べました。

自律神経失調症を経験して再就職した方

②「制度」があるかではなく、「使える」か

「フレックス制あり」と書いてあっても、実際は全員が9時に出社している……そんな職場では意味がありません。
自律神経失調症の方にとって重要なのは、「今日は調子が悪いので、11時に出社します」と言える空気があるかどうかです。面接の際、「実際にどれくらいの方が制度を利用していますか?」と質問してみる勇気が、入社後のあなたを救います。

③オフィスの「空気」が肌に合うか

職場の空気感は、自律神経にダイレクトに影響します。常に怒号が飛んでいたり、ピリピリして誰も口を聞かなかったりする環境は、交感神経(緊張)を強制的にオンにし続けるため、避けるのが賢明です。
見学の際は、すれ違う社員の表情や、休憩スペースの様子を観察してください。「ここで深呼吸できそうか?」という直感は、案外正しいものです。

④通勤時間や通勤手段を考慮する

自律神経失調症の方にとって、通勤は大きな負担になることがあります。特に混雑した電車での長時間通勤は、症状を悪化させる要因となりかねません。通勤時間はどれくらいか、通勤ラッシュを避けられるか、通勤手段の選択肢はあるかなど、通勤に関する要素も重要な検討ポイントです。

⑤面接時の病気の開示について

就職活動や転職活動において、自律神経失調症であることをいつ、どのように伝えるべきかは悩ましい問題です。業務に支障がない場合は必ずしも開示する必要はありませんが、配慮が必要な場合は具体的にどのような配慮が必要かを伝えるとよいでしょう。開示する場合は、単に「自律神経失調症です」と伝えるだけでなく、自己管理の方法や、これまでどのように仕事と両立してきたかなど、自分の強みも合わせて伝えることが大切です。

これら5つのポイントを意識して仕事を選ぶことで、自律神経失調症があっても長く安定して働ける環境を見つけることができるでしょう。

最終的には自分の状態や優先順位に合わせて、総合的に判断することが大切です。

自律神経失調症の方が利用できる就労支援と制度

自律神経失調症の症状が重い場合や、就職活動に不安を感じる場合は、様々な就労支援サービスや制度を活用することができます。ここでは、自律神経失調症の方が利用できる主な支援機関と制度について解説します。

就労移行支援事業所の活用法

就労移行支援事業所は、障害のある方が一般企業で働けるよう支援する福祉サービスです。体調管理や職場でのコミュニケーションスキル、就職に必要な専門スキルの習得などをサポートします。自律神経失調症単独では利用しにくい場合もありますが、うつ病や適応障害など他の診断がある場合は利用できる可能性があります。

障害者就業・生活支援センターのサポート

障害者就業・生活支援センターは、就職活動から職場定着まで一貫してサポートする機関です。就職に関する相談・支援、求人情報の提供、就職後の職場定着支援などを行っています。体調不良で就労が困難な状態であれば、まずは相談してみる価値があります。

就労移行支援は最長2年間利用でき、自分のペースで就職準備を進められるのが魅力です。体調管理の方法と自分に合った仕事の見極め方が特に役立ちました。

就労移行支援利用者

ハローワークの専門窓口

ハローワークには、障害のある方や健康上の理由で配慮が必要な方向けの専門窓口があります。障害や健康状態に配慮した求人紹介、専門のジョブコーチによる支援、職業適性検査などのサービスを受けられます。診断書や紹介状があるとスムーズです。

傷病手当金など経済的支援制度

一時的に働けない状況になった場合、傷病手当金を利用できる可能性があります。健康保険に加入している方が対象で、支給期間は最長1年6ヶ月、支給額は直近の平均月収の約3分の2です。また、退職した場合は失業保険の受給も検討できますが、すぐに就職できない場合は受給期間延長の手続きが必要です。

リワークプログラム

休職中の方が職場復帰を目指す際に利用できる「リワークプログラム」も有効な支援制度です。生活リズムの回復訓練、集中力・持続力の回復訓練、ストレス対処法の習得などが含まれます。医療機関や地域障害者職業センターで実施されています。

自律神経失調症と付き合いながら働くために、最も重要なのは「根性」ではなく「環境」です。
自分一人で理想の職場を探すのは至難の業ですが、支援機関という「プロの目」を通すことで、そのハードルはぐっと下がります。

利用できる制度は、遠慮なく使い倒してください。「自分を守るためのチーム」を周囲に作り、焦らず、あなたの心と体が納得できる働き方をじっくり見つけていきましょう。

自律神経失調症と仕事を両立させるための7つの工夫

自律神経失調症と仕事を両立させるための7つの工夫

自律神経失調症を抱えながらも、仕事を続けるためには日々の工夫が欠かせません。ここでは、仕事と自律神経失調症を上手に両立させるための7つの具体的な方法をご紹介します。

①体調管理を最優先にする

自律神経失調症と仕事を両立させる上で最も重要なのは体調管理です。体調の変化を日記やアプリで記録し、疲れのサインを見逃さず早めに休息を取りましょう。十分な睡眠、規則正しい生活リズム、バランスの良い食事を心がけることが基本です。

②上司や同僚に適切に伝える

職場の上司や同僚に自分の状態を適切に伝えることで、理解や配慮を得やすくなります。できることとできないことを明確にし、自分の強みや工夫していることも伝えましょう。

頭痛が始まったり肩が凝りだしたりすると調子を崩す前兆だと分かるようになりました。そのサインを感じたら早めに休むことで、翌日以降に影響が出るのを防いでいます。

IT企業勤務・30代

③無理のないスケジュール管理

自分のペースと体調に合わせた計画を立てましょう。タスクにかかる時間を多めに見積もり、予定と予定の間に余裕を持たせること、体調が良い時間帯に重要な仕事を集中させることがポイントです。

④休憩・休暇を効果的に取る

1〜2時間ごとに短い休憩を取り、昼休みはしっかり休息しましょう。半日休暇を活用して疲れを溜めないようにし、体調の波を把握して調子が悪い時期に休暇を計画すると効果的です。

⑤「呼吸」で脳の暴走を止める

ストレスで交感神経が高ぶっている時は、呼吸が浅く速くなっています。これに気づいたら、意識的に「深呼吸」を挟んでみてください。
特別な瞑想などは必要ありません。仕事の合間に一息つき、コーヒーの香りをゆっくり嗅ぐだけでも十分なマインドフルネス(今ここへの集中)になります。

⑥スイッチを意識的に「OFF」にする

会社を一歩出たら、仕事のスイッチは完全に切りましょう。真面目な方ほど、帰宅後もメールチェックをしがちですが、それは脳をアイドリングさせ続ける行為です。
「お風呂に入ったら仕事のことは考えない」「寝る1時間は好きな音楽を聴く」。そんな自分だけのルールを作り、乱れた自律神経を整える時間を確保してください。

⑦一人で抱えず、専門家を味方につける

「辛い」と言えないまま我慢して、倒れてしまっては元も子もありません。
産業医やカウンセラーは、あなたの心身を守るための防波堤です。早めにSOSを出し、専門家の知恵を借りながら、今のあなたにとって「ちょうどいい働き方」を一緒に探してもらいましょう。

自律神経失調症と付き合いながら働くことは、決して不可能なことではありません。
大切なのは、100点満点で働くことではなく、自分の体調の波と相談しながら、60点でも長く走り続けることです。

焦らず、あなたらしいペースで進んでいきましょう。

自律神経失調症とは?基本的な理解

自律神経失調症とどのように向き合い、どんな職業が向いているかを考える前に、まずはこの症状について正しく理解しておきましょう。ここでは、自律神経失調症の基本的な知識や特徴について解説します。

自律神経とは何か

自律神経とは、私たちの意志とは関係なく、自動的に体の機能を調整している神経系です。呼吸や心拍、血圧、体温調節など、生命維持に必要な機能を24時間コントロールしています。

  • 交感神経:活動時や緊張時に優位になる神経。「アクセル」の役割を果たします。
  • 副交感神経:休息時やリラックス時に優位になる神経。「ブレーキ」の役割です。

自律神経失調症の定義と特徴

自律神経失調症とは、交感神経と副交感神経のバランスが乱れ、様々な身体的・精神的症状が現れている状態を指します。正式な医学的診断名ではなく、「状態」を表す言葉である点が重要です。

自律神経は私たちの「内なる調整システム」です。暑い環境では発汗を促し、寒い環境では血管を収縮させるなど、常に体を最適な状態に保つ重要な役割を担っています。

医師

「病気じゃないのに、調子が悪い」の正体

自律神経失調症の辛さは、「日によって症状がコロコロ変わる」ことと、「検査をしても異常なしと言われてしまう」ことにあります。
本人にしか分からないその苦しさは、体と心に以下のようなサインとなって現れます。

身体的症状

  • 動悸・圧迫感(何もしていないのに心臓が早鐘を打つ)
  • 息苦しさ(空気が薄く感じられ、深く吸い込めない)
  • 胃腸の不調(喉のつかえ感、食欲不振、便通の乱れ)
  • めまい・耳鳴り(雲の上を歩いているようなフワフワ感)
  • 慢性的な疲労(一晩寝ても疲れが取れず、体が鉛のように重い)
  • 睡眠の質低下(寝付きが悪い、夜中に何度も目が覚める)

精神的症状

  • 不安感・焦燥感(「何かミスをしたのではないか」と、帰宅後も仕事のことが頭から離れない)
  • イライラ・気分の落ち込み(普段なら流せるような同僚の一言に傷ついたり、カッとなってしまったりする)
  • 集中力・記憶力の低下(以前なら10分で終わった作業に1時間かかる、言われたことをすぐ忘れる)
  • 意欲の減退(仕事だけでなく、趣味や好きだったことに対しても「どうでもいい」と感じてしまう)

原因は「アクセルとブレーキ」の不具合

なぜ、こんなに辛い症状が出るのでしょうか。
それは、あなたの心が弱いからではありません。長期間の無理や我慢がたたって、自律神経という「体の自動操縦システム」がバグ(誤作動)を起こしているからです。

私たちの体は、活動モードの「交感神経(アクセル)」と、休息モードの「副交感神経(ブレーキ)」が自動で切り替わることで動いています。しかし、以下のような負荷がかかり続けると、アクセルが戻らなくなってしまうのです。

  • 終わらない緊張:仕事のプレッシャーや人間関係の悩みなど、心が休まる暇がない状態。
  • 生活リズムの乱れ:夜更かしや不規則な食事により、体内時計が狂ってしまうこと。
  • 「〜すべき」思考:「完璧にやらなきゃ」「断ってはいけない」という責任感の強さが、無意識に自分を追い込んでしまうこと。

自律神経失調症は、いわば体からの「もう頑張らなくていいよ、休んで」という強制停止の合図なのです。

これらの基本知識を理解することで、自分の症状や体調の特徴を知り、適切な職業選択や働き方の工夫につなげることができます。

自律神経失調症と仕事に関するQ&A

自律神経失調症を抱えながら働く方々からよく寄せられる質問とその回答をまとめました。就職活動や職場での対応、制度の利用など、実践的な疑問に焦点を当てています。

Q1. 自律神経失調症は障害者雇用の対象になりますか?

自律神経失調症単独では、一般的に障害者雇用の対象にはなりません。ただし、併発している疾患(うつ病や不安障害など)があり、精神障害者保健福祉手帳を取得している場合は対象となる可能性があります。

Q2. 症状が悪化した場合、休職はできますか?

休職できるかどうかは、会社の就業規則や休職制度の内容、医師の診断によって異なります。医師の診断書が必要になることがほとんどで、休職中の収入が心配な場合は傷病手当金の申請も検討しましょう。

私は在宅ワークの導入を主治医と相談し、週3回の在宅勤務が認められています。まずは試験的に導入し、業務効率が落ちないことを示すことが重要でした。

サラリーマン・40代男性

Q3. 転職の面接で、病気のことを言うべき?

義務ではありません。「配慮」が必要な場合だけ伝えましょう。

もし「通院のために遅刻したい」「残業はできない」といった配慮が必要なら、伝えた方が入社後のミスマッチを防げます。
コツは、単に病名を告げるのではなく、「自律神経失調症ですが、睡眠さえ確保できれば業務に支障はありません」と、「自分の取扱説明書(トリセツ)」としてセットで伝えることです。こうすると企業側も安心して採用できます。

Q4. また「正社員」として働けますか?

もちろんです。ただし「環境選び」が全てです。

「正社員=激務」とは限りません。最近はフレックス制や在宅ワークを導入している企業も増えています。
「根性で頑張る」のではなく、「満員電車がない」「ノルマが緩やか」といった自分の体調を守れる条件の会社を選べば、正社員として長く活躍することは十分に可能です。

Q5. 今の職場で「在宅ワーク」にするには?

医師の診断書を「交渉カード」に使いましょう。

会社に相談する際、「なんとなく辛い」では説得力がありません。「通勤の負担が病状悪化のリスクになるため、在宅勤務が望ましい」といった内容の診断書(または意見書)を主治医に書いてもらいましょう。
医師という「権威」の力を借りることで、特例として認められるケースは多々あります。

仕事と病気の両立に、100点満点の正解はありません。
時には休み、時には誰かに頼りながら、「まあ、これくらいなら続けられるかな」と思える60点のペースを維持できれば、それはもう大成功です。

焦らず、あなたなりの「ちょうどいい働き方」を育てていきましょう。

まとめ:自律神経失調症でも自分に合った仕事で充実した働き方を

自律神経の乱れは、あなたの能力が低いから起きるわけではありません。多くの場合、真面目すぎる性格と、過酷な環境がミスマッチを起こしているだけです。

だからこそ、自分を変えようと努力するのではなく、「自分が壊れない環境(土壌)」を徹底的に選んでください。
在宅ワークでも、時短勤務でも、使えるカードは何でも使う。そうやって戦略的に「楽な環境」を整えることこそが、結果として最高のパフォーマンスを出すための近道になります。

自律神経失調症との付き合いは長いマラソンのようなものです。短期的な成果よりも長期的な視点で、自分のペースを大切にしながら歩み続けることが重要です。

キャリアカウンセラー

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