
- このコラムのまとめ
- 就労継続支援B型は、障害や難病のある方が自分のペースで働ける福祉サービスです。雇用契約を結ばずに働き、様々な作業を通じて就労経験を積むことができます。工賃や利用条件、選び方、利用手続きなど、就労継続支援B型について知っておきたい情報を詳しく解説した記事です。
もくじ
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就労継続支援B型とは?障害のある方が自分のペースで働ける福祉サービス
就労継続支援B型とは、障害者総合支援法に基づいた障害福祉サービスのひとつで、一般企業で雇用契約を結んで働くことが難しい方に対して、就労の機会や生産活動の場を提供するサービスです。
障害や難病のある方が自分の体調やペースに合わせて働きながら、必要な知識やスキルを身につけるための支援を受けることができます。
就労継続支援B型の特徴と目的
就労継続支援B型の最大の特徴は、「雇用契約を結ばない」という点です。これにより、障害の状態や体調に合わせて柔軟に働くことが可能になります。事業所によっては週1日からの利用や短時間の勤務も可能で、無理なく継続的に働く環境が整えられています。
主な目的は、障害や難病のある方に就労の機会を提供すること、働くために必要なスキルや知識を身につける支援をすること、そして社会参加の機会を増やし、日中活動の場を確保することです。厚生労働省の調査によると、令和3年9月時点で、40万人以上の方が就労継続支援B型を利用しています。
出典:
就労継続支援B型を利用するメリット
就労継続支援B型の大きなメリットは、「障害による困りごとの状況や症状などに合わせて、無理のないペースで働くことができる」という点です。働く時間や日数について相談できる場合が多く、障害についての理解がある環境で、スタッフのサポートを受けながら働けます。また、利用期間に制限がなく、生産活動の対価として工賃を得ることができます。
就労継続支援B型の対象者
就労継続支援B型を利用できる対象者は、障害や難病のある方で、以下のいずれかに当てはまる方です。
- 就労経験があり、年齢や体力の面で、一般企業に雇用されることが困難になった方
- 50歳以上の方、または障害基礎年金1級を受給している方
- 就労移行支援事業者などによるアセスメントにより、就労面の課題が把握されている方
障害の種類や程度による対象範囲
就労継続支援B型は、様々な障害種別の方が利用できるサービスです。精神障害(統合失調症、うつ病など)、発達障害(自閉スペクトラム症、ADHDなど)、知的障害、身体障害、難病などの方が利用しています。
障害者手帳がなくても利用できる条件
障害者手帳を取得していない方の場合でも、主治医の診断書などがあることで障害福祉サービス受給者証が支給され、就労継続支援B型を利用できることもあります。詳しくはお住まいの市区町村の障害福祉窓口に問い合わせてみましょう。
就労継続支援B型の仕事内容・作業内容
就労継続支援B型事業所での仕事は「生産活動」と呼ばれています。生産活動の内容は事業所によって様々ですが、利用者の障害特性や能力に合わせて、無理なく取り組める作業が提供されています。ここでは、一般的な作業内容や働き方について解説します。

一般的な作業内容の種類
就労継続支援B型事業所で行われる作業内容は多岐にわたります。同じ就労継続支援でもA型と比べてより細分化された作業が多く、障害の状態に合わせて取り組みやすいように工夫されています。
軽作業・内職系の仕事
最も一般的な作業カテゴリーの一つで、手先の作業を中心とした比較的シンプルな仕事内容です。
- 部品の組立作業
- 袋詰め・箱詰め作業
- シール貼り・ラベル貼り
- 検品作業
- 封入・封緘作業
製造・加工系の仕事
製品の製造や加工に関わる作業で、事業所によっては独自商品の開発・販売も行っています。
- パンやお菓子などの製造
- 弁当や総菜の調理・製造
- 木工品や雑貨の製作
農業・園芸系の仕事
自然と触れ合いながら行う作業で、心身のリフレッシュ効果も期待できます。
- 野菜や果物の栽培
- 花や植物の栽培
- 収穫した農作物の販売
事務・PC作業系の仕事
近年増加傾向にある作業で、パソコンスキルを活かした仕事です。
- データ入力作業
- 書類の電子化・スキャニング
- 名刺作成
カフェ・飲食系の仕事
接客を含む仕事で、社会性を養うことができる作業です。
- カフェでの接客
- ドリンク・フードの提供
- 店内清掃
作業時間・日数について
就労継続支援B型の大きな特徴は、利用者の状態に合わせて柔軟な働き方ができることです。事業所の方針や本人の希望により、勤務日数や1日あたりの作業時間は調整することができます。
週あたりの勤務時間は「20~25時間」の割合が高くなっていますが、実際の利用形態は様々です。1日3時間×週3日で働く方、1日5時間×週5日で働く方、週1回から始める方など、個々の状況に合わせた利用が可能です。多くの事業所では、慣れてきてから徐々に勤務時間を増やすこともできます。
自分に合った作業を選ぶポイント
就労継続支援B型事業所を選ぶ際は、自分に合った作業ができるかどうかが重要なポイントとなります。自分の興味や関心に合っているか、障害特性に適しているか、将来身につけたいスキルにつながるか、体力や集中力に見合っているかなどを考慮しましょう。
実際に事業所の見学や体験利用ができる場合は、ぜひ活用して自分に合った作業かどうかを確認することをおすすめします。
就労継続支援B型の工賃(給料)について
就労継続支援B型では、生産活動に対する対価として「工賃」が支払われます。この工賃は雇用契約に基づく「賃金」ではなく、作業の成果に応じて支払われる報酬です。
工賃の平均相場
就労継続支援B型では、雇用契約を結ばないため、最低賃金を保障されているわけではありません。厚生労働省の調査によると、令和3年度の平均月額工賃は16,507円、時間給換算で233円となっています。
地域別に見ると、平均工賃には差があります。令和3年度の地域別平均工賃の例としては、北海道(19,523円)、東京(15,563円)、福岡(14,691円)、沖縄(16,016円)などとなっています。
各事業所によって工賃の金額は大きく異なり、上位25%の事業所では月額約28,000円、下位25%の事業所では月額約6,300円と、約4.5倍の格差があります。多くの都道府県では「工賃向上計画」に取り組んでおり、工賃アップを目指す動きが進んでいます。
工賃の計算方法・支払い方法
工賃の計算方法は事業所によって異なり、時間給制、出来高制、固定給制、複合型など様々な方式があります。支払いは多くの場合、月末締めの翌月払いですが、週払いや日払いのところもあります。
工賃の金額は、通所日数や作業時間、担当する作業の種類や難易度、作業の成果、事業所全体の売上状況などによって変動することがあります。
併用できる制度や手当
就労継続支援B型の工賃だけでは生活維持が難しい場合、以下のような制度と併用することで経済的な支援を受けることができます。
障害年金との併用
障害年金は、障害によって生活や仕事などに制限がある方に支給される年金です。就労継続支援B型で働きながら障害年金を受給することは可能で、就労状況によって年金額が減額されることもありません。
生活保護との併用
工賃が少額で、他の収入と合わせても生活保護の基準に満たない場合は、生活保護を受給しながら就労継続支援B型を利用することができます。ただし、工賃を含めた収入が増えると、その分生活保護費が減額されます。
失業給付との関係
就労継続支援B型の受給要件と失業等給付の受給要件の両方を満たしている場合は、B型事業所に通いながら失業保険の給付を受けられる場合もあります。詳細はハローワークに問い合わせましょう。
就労継続支援B型の利用料と利用期間について
就労継続支援B型は障害福祉サービスの一つであるため、利用にあたっては一定の利用料が発生する場合があります。また、利用期間についても知っておくべき重要なポイントがあります。
利用料の仕組みと負担額
就労継続支援B型での勤務は「福祉的就労」であるため、働く場であるとともに、「障害福祉サービス」を受ける場でもあります。そのため、世帯所得により、障害福祉サービスの利用料が発生する場合があります。
利用料は世帯所得に応じて月の上限額が定められており、これを「負担上限月額」と呼んでいます。利用したサービス量にかかわらず、上限額を超えた利用料が発生することはありません。
区分 | 世帯の課税状況 | 負担上限月額 |
---|---|---|
生活保護 | 生活保護受給世帯 | 0円 |
低所得 | 市町村民税非課税世帯 | 0円 |
一般1 | 市町村民税課税世帯(所得割16万円未満) | 9,300円 |
一般2 | 市町村民税課税世帯(所得割16万円以上) | 37,200円 |
世帯収入の考え方は、18歳以上の障害者の場合は障害のある方とその配偶者の合計所得、18歳未満の障害者の場合は障害のある方とその両親の合計所得となります。
多くの利用者は生活保護または低所得区分に該当するため、実際には自己負担なく利用できているケースが多いようです。利用料の詳細や減免制度については、自治体によって異なる場合がありますので、お住まいの市区町村の障害福祉窓口に問い合わせることをおすすめします。
利用期間の制限はある?
就労継続支援B型の大きな特徴の一つは、利用期間に制限がないという点です。就労移行支援が原則2年間の利用期限があるのに対し、就労継続支援B型は期限なく利用することができます。
年齢制限も特に設けられておらず、障害や疾患のある方であれば、高齢になっても利用可能です。この点は就労継続支援A型が原則18歳から65歳未満を対象としているのとは異なります。
利用期間に制限がないことで、自分のペースでゆっくりと就労経験を積めることや、長期間にわたって継続的に訓練を受けられること、慣れた環境で安心して働き続けられることなどのメリットがあります。
就労継続支援B型事業所の選び方
就労継続支援B型事業所を選ぶ際は、自分に合った事業所を選ぶことが長く続けるための重要なポイントです。全国には1万ヶ所以上の事業所があり、それぞれ特色や支援内容が異なります。ここでは、自分に合った事業所を選ぶためのポイントについて解説します。
自分に合った作業内容を確認する
就労継続支援B型事業所の作業内容は、事業所によって大きく異なります。パソコンを使う作業、製造作業、軽作業、清掃業務、農作業、販売・接客など様々です。自分の興味や得意なこと、体力や障害特性に合った作業内容かどうかを確認することが重要です。
実際に事業所の利用を開始する前に、見学や体験利用ができる場合も多くあります。実際に作業を体験してみることで、自分に合っているかどうかを判断することができるでしょう。
事業所の支援方針や雰囲気をチェック
作業内容だけでなく、事業所の支援方針や雰囲気も選ぶ上で重要なポイントです。スキルアップ重視か、居場所づくり重視か、スタッフの対応、職員の配置数、事業所の雰囲気、利用者の様子、コミュニケーションの多さ、余暇活動の有無など、様々な観点から自分に合っているかを確認しましょう。
工賃の水準と働き方の自由度
工賃の金額も事業所選びの重要なポイントです。月額・時間給の平均工賃、工賃の計算方法、支払い頻度、工賃アップの取り組みなどを確認しておくとよいでしょう。
また、勤務時間や通所日数の調整が可能か、体調不良時の対応、通院との両立のしやすさ、短時間からの利用が可能かなど、働き方の自由度も重要なポイントです。
通いやすさやアクセスの良さ
事業所の立地条件も継続的に通うためには重要です。自宅からの距離や通所時間、公共交通機関の利便性、送迎サービスの有無、通所にかかる交通費の負担、駐車場・駐輪場の有無などを確認しましょう。
見学・体験利用の活用方法
多くの就労継続支援B型事業所では、見学や体験利用の機会を設けています。事前に質問事項をまとめておく、複数の事業所を比較する、実際に作業を体験してみる、利用者の様子を観察する、スタッフとの相性を確認するなど、見学・体験利用を効果的に活用することで、より自分に合った事業所を選ぶことができます。
就労継続支援B型の利用手続き
就労継続支援B型を利用するには、いくつかの手続きが必要です。ここでは、利用開始までの流れと各ステップでの注意点について解説します。適切な手続きを踏むことで、スムーズにサービスを利用開始することができます。
1. 相談支援事業所や自治体の窓口に相談する
就労継続支援B型の利用を検討する際は、まず相談支援事業所や市区町村の障害福祉窓口で相談することから始めます。ここでは、自分の状況や希望を伝え、どのような支援が適しているかを一緒に考えていきます。
相談時には、自分が就労継続支援B型の対象者になるかどうか、地域にどのような事業所があるか、利用に必要な手続きの詳細と必要書類、自己負担額の目安、障害福祉サービス受給者証の申請方法などを確認しておくとよいでしょう。
2. 事業所を見学・体験してみる
気になる事業所が見つかったら、見学や体験利用をしてみることが大切です。複数の事業所を比較検討し、実際の作業内容や雰囲気を確認しましょう。スタッフや利用者の様子をよく観察し、工賃や利用条件について詳しく質問してみることも重要です。
就労継続支援B型は利用できる人数(定員)が決まっているため、「定員に空きがない」などの理由で利用ができない場合もあります。見学や体験について問い合わせる際は、空き状況についても確認しておくとよいでしょう。
3. 受給者証(障害福祉サービス受給者証)の申請手続き
利用したい就労継続支援B型事業所が決まったら、お住いの自治体の障害福祉窓口などで受給者証の申請をします。申請書類の提出、担当者からの聞き取り調査、「サービス等利用計画案」の作成・提出、自治体による審査を経て、「障害福祉サービス受給者証」が発行されます。
「サービス等利用計画案」は、相談支援専門員に依頼するか、セルフプランとして自分で作成することができます。初めて利用する場合は、専門家のアドバイスを受けられる相談支援専門員に依頼する方法がおすすめです。
4. 利用契約を結んで利用開始
受給者証が発行されたら、希望する就労継続支援B型事業所と利用契約を結びます。契約時には障害福祉サービス受給者証、身分証明書、印鑑などが必要となることが多いです。契約内容に納得したら、契約書に署名・捺印し、利用開始日を決定します。
利用開始後は、定期的に個別支援計画の見直しが行われます。自分の状況や目標の変化に応じて、支援内容を調整していくことができます。
就労継続支援B型の利用事例
就労継続支援B型は様々な障害のある方が、それぞれの状況に合わせて利用しています。ここでは、実際に就労継続支援B型を利用されている方々の事例を紹介します。
精神障害がある方の利用例
精神障害がある方の場合、体調の波があったり、ストレスに弱かったりすることから、一般企業での就労が難しいケースがあります。就労継続支援B型では、自分のペースで働けるため、体調管理をしながら就労経験を積むことができます。
うつ病から復帰を目指すAさんの事例
Aさん(30代・女性)は、以前は一般企業で事務職として働いていましたが、うつ病を発症して退職しました。治療を続けながら、少しずつ社会復帰を目指したいと考え、就労継続支援B型事業所の利用を始めました。
利用開始当初は週3日・1日3時間からスタートし、体調を見ながら徐々に利用日数と時間を増やしていきました。事業所ではストレスマネジメントプログラムも受けることができ、症状が悪化する前の対処法を学んでいます。現在は週4日、1日5時間の利用に増やし、パソコンスキルも向上しています。
知的障害がある方の利用例
知的障害がある方の場合、作業内容の理解や習得に時間がかかることがあります。就労継続支援B型では、一人ひとりの理解度や習熟度に合わせた支援を受けながら、働くスキルを身につけることができます。
長く安定して通い続けるBさんの事例
Bさん(40代・男性)は、軽度の知的障害があり、特別支援学校卒業後、就労移行支援事業所でのアセスメントを経て、就労継続支援B型事業所を利用することになりました。Bさんが通う事業所では、菓子製造を中心とした作業を行っています。
事業所のスタッフは、Bさんが理解しやすいように、作業手順を写真や図でわかりやすく示した手順書を用意しています。Bさんは10年以上同じ事業所に通い続けており、安定した生活を送っています。
身体障害がある方の利用例
身体障害がある方の場合、物理的なバリアや体力面での制約から、一般就労が難しいケースがあります。就労継続支援B型では、障害に配慮した環境整備や作業内容の調整により、無理なく働くことができます。
自分のペースで働くCさんの事例
Cさん(50代・男性)は、脳腫瘍の手術後、右半身に麻痺が残り、以前のように一般企業での勤務が困難になりました。Cさんが通う事業所では、車椅子でも移動しやすいようにバリアフリー設計になっており、主に左手でできる軽作業やパソコン作業を担当しています。
Cさんは「手術後は何もできなくなったと落ち込んでいましたが、ここでは自分にできる仕事があり、必要とされていることが実感できます」と話しています。
よくある質問
就労継続支援B型について、利用を検討している方やご家族からよく寄せられる質問とその回答をまとめました。
Q. 就労継続支援B型を利用しながら一般就労は可能ですか?
就労継続支援B型を利用しながら一般就労を行うことは基本的に可能です。ただし、利用時間と勤務時間が重ならないようにする必要があります。体力的な負担や収入による各種給付への影響も考慮しましょう。具体的な調整については、相談支援専門員や事業所のスタッフに相談することをおすすめします。
Q. 就労継続支援A型とB型の併用はできますか?
基本的には想定されていませんが、市町村が特に必要と認める場合には可能なケースもあります。お住まいの市区町村の障害福祉窓口や相談支援専門員に相談してみましょう。
Q. 高齢者でも就労継続支援B型は利用できますか?
就労継続支援B型には年齢の上限はないため、65歳以上の高齢者でも利用することができます。ただし、体力面での配慮が必要な場合もありますので、見学や体験利用を通して、自分に合った事業所や作業内容を選ぶことが大切です。
Q. 就労継続支援B型から一般就労への移行率はどれくらいですか?
就労継続支援B型から一般就労への移行率は、厚生労働省の調査によると、令和元年時点で約1.3%程度となっています。ただし、これは全国平均であり、事業所によっては一般就労への移行支援に積極的に取り組み、より高い移行率を達成しているところもあります。
他の就労支援サービスとの違いは?
障害や難病のある方のための就労支援サービスには、就労継続支援B型以外にも「就労移行支援」「就労定着支援」「自立訓練」などがあります。それぞれのサービスの特徴と違いを簡潔に解説します。
就労移行支援とは
就労移行支援は、一般企業への就職を目指す障害のある方向けのサービスです。就労継続支援B型との主な違いは、利用期間が原則2年間(最大3年)と期限があること、一般就労へのトレーニングが中心であること、基本的に工賃が発生しないことなどです。一般就労への移行率は約54.7%と高くなっています。
就労定着支援とは
就労定着支援は、就労移行支援等を経て一般就労した方が、職場に定着できるよう支援するサービスです。就職後6ヶ月経過した後から最大3年間利用できます。職場での悩みや課題に対するサポートを受けることができます。
自立訓練との違い
自立訓練は、日常生活能力の向上や就労のための基礎的な準備を行うサービスです。「生活訓練」と「機能訓練」があり、利用期間は原則2年間です。就労前の基礎力を養う場として位置づけられています。
就労継続支援A型と就労継続支援B型の違いは?
就労継続支援A型とB型は、ともに障害者総合支援法に基づく福祉的就労サービスですが、いくつかの重要な違いがあります。
雇用契約の有無による違い
最も大きな違いは「雇用契約を結ぶかどうか」という点です。A型では事業所と雇用契約を結んで働きますが、B型では雇用契約を結ばずに働きます。この違いにより、賃金・工賃、労働時間、社会保険の適用などが変わってきます。
項目 | 就労継続支援A型 | 就労継続支援B型 |
---|---|---|
雇用契約 | あり | なし |
賃金・工賃 | 最低賃金以上保障 | 平均月額約1.6万円 |
労働時間 | 週20時間以上が基本 | 時間制限なし |
対象年齢 | 原則18~65歳未満 | 年齢制限なし |
A型はより「一般就労」に近い形態で、B型は体調や障害に合わせて無理なく働ける環境となっています。自分の状況や目標に合わせて選択することが大切です。
まとめ:就労継続支援B型で自分らしく働く第一歩を
就労継続支援B型は、障害や難病のある方が自分のペースで働きながら、就労に必要なスキルを身につけることができる福祉サービスです。最大の特徴は、障害や体調に合わせて柔軟に働ける点と、利用期間に制限がないことです。
事業所ごとに作業内容や支援方針は異なるため、自分に合った事業所を見つけることが大切です。見学や体験利用を活用して、自分に合った場所を選びましょう。
就労継続支援B型は「働く場」であると同時に、「生きがいを見つける場」「社会とつながる場」でもあります。自分の状況や希望に合わせた働き方で、自分らしく社会参加できる第一歩を踏み出してみませんか。