公開日:2025.08.27
就労移行支援で資格取得を目指そう!おすすめ資格と支援内容を完全ガイド
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- このコラムのまとめ
- 就労移行支援事業所で取得できる人気資格と、資格取得がもたらす自信や就職活動での強みなどのメリットを紹介。資格取得に強い事業所の選び方や地域別おすすめ事業所、さらに就労移行支援以外の資格取得支援制度まで、障害のある方のキャリアアップを総合的にサポートする情報が満載です。
もくじ
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就労移行支援で取得できる人気資格10選
就労移行支援事業所では、障害や難病がある方の就職活動をサポートするため、さまざまな資格取得支援を行っています。ここでは特に人気の高い資格を紹介します。これらの資格は就職活動での強みになるだけでなく、実務でも即戦力として評価されます。
事務系資格
事務職は障害者雇用の求人数が多く、障害特性に合わせた働き方ができるため人気があります。
MOS(Microsoft Office Specialist)
MOSはWord、Excel、PowerPointなどの操作スキルを証明する資格です。事務職では日常的に使うため、取得すると就職活動で有利になります。
就労支援員
日商簿記検定
簿記は企業のお金の流れを記録・計算・整理する技術です。経理職だけでなく、一般事務職でも役立つビジネススキルとして評価されています。
秘書検定
秘書検定は、ビジネスマナーやコミュニケーション能力など、社会人として必要な基本スキルを証明する資格です。どの職種でも活かせる実践的な知識が身につきます。
IT系資格
IT業界は障害者雇用に積極的で、テレワークなど柔軟な働き方ができる可能性があります。
ITパスポート
ITパスポートは、ITを利用する全ての社会人が備えておくべき基礎知識を証明する国家資格です。IT業界に限らず、あらゆる業種で評価される資格です。
基本情報技術者試験
基本情報技術者試験は、ITエンジニアとして必要な基礎知識とスキルを証明する国家資格です。プログラミングからネットワークまで幅広い知識が問われます。
語学系資格
TOEIC
TOEICは、英語によるコミュニケーション能力を評価する国際的な試験です。スコアによって英語力が明確に示されるため、自分の英語力を客観的にアピールできます。
その他の実務資格
介護職員初任者研修
介護分野での就労を目指す方におすすめの資格です。研修は約130時間で、介護の基礎知識と技術を学びます。高齢化社会において需要の高い分野です。
福祉関連資格
自身の障害経験を活かして福祉分野で働きたい方には、相談支援従事者初任者研修などの資格取得を検討するとよいでしょう。
就労移行支援事業所では、これらの資格取得に向けた学習環境やサポートを提供しています。
事業所によっては資格試験の受験料補助や教材の無料貸出などの支援制度も整っているため、自分に合った事業所を選ぶことが成功への近道となります。
資格取得によるメリット5つ
就労移行支援事業所を利用して資格を取得することには、就職活動だけでなく精神面や生活面においてもさまざまなメリットがあります。ここでは、障害や難病がある方が資格取得を目指すことで得られる主なメリットを5つ紹介します。
就職活動で強みになる
資格は客観的に自分のスキルや知識を証明するツールとなります。特に障害がある方にとって、資格は「できること」を明確に示す有効な手段です。採用担当者は、資格を持つ応募者に対して具体的なスキルをイメージしやすくなります。
人事担当者
自信とモチベーションの向上
長期間の療養や離職により自信を失っている方も少なくありません。資格取得という明確な目標に向かって努力し、それを達成することで、大きな自信を取り戻すことができます。この自信は、就職活動や就職後の業務においても大きな支えとなるでしょう。
明確な目標設定ができる
資格取得を目指すことで、日々の学習に明確な目的が生まれ、通所のモチベーション維持につながります。また、資格試験は明確な期限があるため、計画的に学習を進める力も自然と身につきます。
専門スタッフのサポートが受けられる
就労移行支援事業所には、資格取得をサポートする専門知識を持ったスタッフが在籍しています。独学では解決できない疑問点をすぐに質問できる環境があることで、学習がスムーズに進みます。また、障害特性に配慮した学習方法のアドバイスも受けられます。
同じ目標を持つ仲間との学習環境
資格取得の勉強は、ときに孤独との戦いでもあります。就労移行支援事業所では、同じ目標に向かって頑張る仲間と一緒に学ぶことができるため、互いに刺激し合いながら学習を進めることができます。資格の勉強をきっかけにコミュニケーションが増えることで、人間関係の構築にも役立ちます。
資格取得は、就職という目標に向かうための手段の一つですが、その過程で得られるものは就職後の職業生活においても大きな財産となります。
自分の特性や興味に合った資格を選び、就労移行支援事業所のサポートを活用しながら、着実に一歩ずつ進んでいきましょう。
資格取得に強い就労移行支援事業所の選び方
就労移行支援事業所は全国に数多く存在し、それぞれに特色やサポート内容が異なります。特に資格取得を目標とする場合、自分に合った事業所を選ぶことが成功への近道となります。ここでは、資格取得に強い就労移行支援事業所を選ぶ際のポイントを5つ紹介します。
①提供されるサポート内容をチェック
事業所によって資格取得のサポート内容は大きく異なります。単に教材を提供するだけの事業所から、専門講師による講座や個別指導を行う事業所まで様々です。自分がどのようなサポートを必要としているかを考え、それに合った事業所を選びましょう。
②受験料・教材費の補助制度を確認
資格取得にかかる費用は、教材費と受験料を合わせるとかなりの金額になることがあります。経済的な負担を軽減するためにも、費用面でのサポートがある事業所を選ぶことも重要です。
キャリアカウンセラー
③指導スタッフの専門性と経験
資格取得を目指す上で、専門知識を持ったスタッフからの指導を受けられるかどうかは非常に重要です。特に取得を目指す資格に関する専門知識や指導経験が豊富なスタッフがいる事業所を選ぶと、効率よく学習を進めることができます。
④就職実績と定着率
資格取得はあくまでも就職のための手段です。最終的な目標は就職とその後の職場定着なので、資格取得支援だけでなく、就職支援の実績も重要な選択基準となります。
⑤希望する資格の合格実績
最終的に重要なのは、自分が目指す資格の合格実績です。特に難易度の高い資格の場合、過去の合格実績が豊富な事業所を選ぶことで、効果的な学習方法やノウハウを得ることができます。
資格取得に強い就労移行支援事業所を選ぶ際は、上記の5つのポイントを総合的に判断することが大切です。
実際に事業所を利用する前に、見学や体験利用を積極的に活用し、複数の事業所を比較検討することで、自分に最も合った環境を見つけることができます。
地域別!資格取得に強い就労移行支援事業所10選
資格取得に力を入れている就労移行支援事業所は全国各地に存在します。ここでは、特に資格取得サポートが充実している事業所を地域別に紹介します。それぞれの事業所の特徴や支援内容を参考に、自分に合った事業所選びの参考にしてください。
東京都
コンフィデンス日本橋
三越前駅から徒歩1分の立地にある事業所です。一人ひとりのニーズに合わせた個別プログラムを提供し、ITパスポート、MOS、簿記など幅広い資格に対応しています。
就労移行支援事業所ハンドシェイク
町田駅より徒歩6分の事業所で、資格取得に関わる費用を上限2万円までサポートする制度が特徴です。
千葉県
就労移行ITスクール柏
柏駅より徒歩7分にあり、IT関連の資格取得に特化した事業所です。エンジニア経験のあるスタッフによる専門的な指導が受けられます。
IT企業人事担当者
埼玉県
Be happinessとおり町
川越駅より徒歩10分の場所にあり、日本情報処理検定協会の検定会場に認定されています。ワープロ検定や情報処理検定などが事業所内で受験可能です。
神奈川県
就労移行ITスクール登戸
向ヶ丘遊園駅より徒歩1分の事業所で、在宅訓練も取り入れており、柔軟な学習スタイルを提供しています。Excel・Word・Adobeの学習、Progateでプログラミングの学習も可能です。
大阪府
ぷらす守口
太子橋今市駅より徒歩2分の事業所で、精神疾患・発達障害のある方の就職支援に特化しています。100種類以上の資格取得をサポートし、月10,000円を上限とした受験補助制度があります。
その他の地域
上記以外の地域にも資格取得に強い就労移行支援事業所は多数存在します。お住まいの地域の事業所を探す際は、各自治体の障害福祉課や障害者就業・生活支援センターに相談するとよいでしょう。
就労移行支援事業所を選ぶ際は、資格取得のサポート体制だけでなく、自分の障害特性に合った支援が受けられるか、通いやすい立地かなど、総合的に判断することが大切です。
就労移行支援事業所と資格取得の関係性
就労移行支援事業所と資格取得は密接な関係にあります。障害や難病がある方の就労を支援する就労移行支援事業所では、資格取得が重要な支援内容の一つとなっています。ここでは、就労移行支援事業所の基本的な役割と、その中での資格取得支援の位置づけについて解説します。
就労移行支援事業所の基本的な役割とは
就労移行支援事業所は、障害者総合支援法に基づく障害福祉サービスの一つで、一般企業への就職を目指す障害や難病のある方に対して、就労に必要なスキルや知識の習得、就職活動のサポートを行う施設です。利用期間は原則として最長2年間と定められています。
就労支援専門家
資格取得が就労移行支援の重要な柱である理由
就労移行支援事業所のサービスの中でも、資格取得支援は特に重要な柱の一つとなっています。その理由は主に以下の点に集約されます。
- 客観的な能力証明になる:障害がある方が自分のスキルを客観的に証明する手段として有効です
- 具体的な目標設定ができる:明確な目標があることで、日々の訓練に意義を見出しやすくなります
- 段階的なスキルアップが可能:初級から上級へと着実に能力を高めていくことができます
- 就職後の職務遂行に直結する:実際の職場で求められるスキルを身につけることができます
- 専門的なサポート体制が整っている:障害特性に配慮した学習環境で効率的に学べます
このように、就労移行支援事業所における資格取得支援は、単なるスキル習得以上の意義を持っています。
就職という最終目標に向けた重要なステップであると同時に、自己肯定感の向上や社会参加への自信を育む機会にもなっているのです。
就労移行支援以外の資格取得支援制度
就労移行支援事業所以外にも、障害のある方が資格取得を目指す際に活用できる支援制度が複数存在します。これらの制度を知っておくことで、自分の状況や希望に合わせて最適な支援を受けることが可能になります。
障害者職業能力開発校
障害者職業能力開発校は、障害のある方の職業訓練を専門的に行う公共の教育機関です。全国に19校あり、障害特性に配慮した環境で様々な技術や資格の取得を目指すことができます。
- 受講料は原則無料(テキスト代などの実費は必要な場合あり)
- 訓練期間は通常1年間(短期コースや2年コースもあり)
- 要件を満たせば訓練手当が支給される場合もある
教育訓練給付金制度
教育訓練給付金制度は、雇用保険の被保険者が、厚生労働大臣の指定する教育訓練を受講し修了した場合に、受講費用の一部が支給される制度です。
キャリアコンサルタント
生活福祉資金貸付制度
生活福祉資金貸付制度は、低所得世帯や障害者世帯などを対象に、就職に必要な資格取得費用を低利または無利子で借りられる制度です。無利子で長期間かけて返済できるため、まとまった資金が必要な場合に活用できます。
各種障害者団体の助成制度
障害の種類によっては、各種障害者団体が実施している独自の資格取得支援制度を利用できる場合があります。また、地方自治体が独自に実施している助成制度もあるため、お住まいの自治体の障害福祉課などに相談してみることをおすすめします。
これらの制度は年度ごとに内容が変更されることもあるため、利用を検討する際は必ず最新の情報を確認するようにしてください。
資格取得に関するよくある質問
就労移行支援事業所での資格取得を検討している方から寄せられる質問は多岐にわたります。ここでは、特に多い質問とその回答をまとめました。
利用料金はどのくらいかかる?
就労移行支援事業所の利用料金は、原則として障害福祉サービスの利用者負担額である1割負担となります。ただし、所得に応じて月額上限が設定されており、多くの方は実質無料で利用できます。
区分 | 世帯の収入状況 | 負担上限月額 |
---|---|---|
生活保護 | 生活保護受給世帯 | 0円 |
低所得 | 市町村民税非課税世帯 | 0円 |
一般1 | 市町村民税課税世帯 (所得割16万円未満) |
9,300円 |
出典:
資格取得までどのくらいの期間が必要?
資格取得にかかる期間は、目指す資格の難易度や個人の学習ペース、障害特性によって大きく異なります。一般的な目安としては、MOSなら1~3ヶ月、ITパスポートなら3~6ヶ月、簿記2級なら6ヶ月~1年程度です。
就労移行支援を利用するための条件は?
就労移行支援事業所を利用するためには、以下の条件を満たす必要があります。
- 障害や難病があること
- 一般企業への就職を希望していること
- 65歳未満であること
- 適性に合った職場への就労が見込まれること
相談支援専門員
見学や体験はできますか?
ほとんどの就労移行支援事業所では、見学や体験利用を受け付けています。実際に利用を決める前に、事業所の雰囲気や支援内容、通いやすさなどを確認することができます。
まとめ:資格取得を通じて新たなキャリアへの一歩を踏み出そう
資格取得は就職活動における強力なツールであるだけでなく、自信やモチベーションの向上にもつながります。就労移行支援事業所では、障害特性に配慮した環境で、専門スタッフのサポートを受けながら効率的に資格取得を目指すことができます。
自分の興味や特性に合った資格を選び、適切な支援を受けることで、新たなキャリアへの第一歩を踏み出すことができるでしょう。まずは近くの就労移行支援事業所に見学に行くことから始めてみてはいかがでしょうか。
就労支援コンサルタント