公開日:2025.10.22

就労継続支援からのステップアップ成功ガイド – 次のステージへの道筋

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就労継続支援からのステップアップ成功ガイド – 次のステージへの道筋
このコラムのまとめ
就労継続支援B型・A型を利用する方へ向けた、次のステップへの道筋を解説。ステップアップに必要な基礎能力や実践プラン、困難を感じたときの対処法を紹介。B型を長く利用する選択肢も含め、一人ひとりが自分らしい働き方を見つけるためのガイドです。無理せず自分のペースで進むことの大切さを伝えています。

就労継続支援B型・A型とは?基本を理解しよう

就労継続支援サービスは、障害や難病のある方が自分のペースで働きながらスキルを身につける福祉サービスです。まずはB型とA型の基本的な違いを理解しましょう。

就労継続支援B型の特徴と対象者

就労継続支援B型は、一般企業での就労が難しい方を対象とした福祉サービスです。

  • 雇用契約を結ばず、工賃という形で報酬を受け取ります
  • 全国平均の工賃は月額約23,000円(2023年時点)
  • 体調や障害の状態に合わせて、無理のないペースで作業できます

出典:

就労継続支援A型の特徴と対象者

就労継続支援A型は、雇用契約を結んで働くことができる方を対象としています。

  • 雇用契約を結び、最低賃金以上の給与が支払われます
  • 原則として週20時間以上の勤務が求められます
  • より高い作業スキルや集中力が必要です

一般就労との主な違い

就労継続支援と一般就労には大きな違いがあります。

項目 就労継続支援 一般就労
支援体制 手厚い支援あり 基本的に自立が前提
労働条件 柔軟な対応が多い より厳格な条件設定

B型事業所は「働く場所」としての側面だけでなく、「社会とつながる居場所」としての役割も持っています。

就労支援専門員

就労継続支援B型・A型は、それぞれのニーズや状況に合わせた選択肢です。

次のステップに進むかどうかは「ステップアップ」だけが正解ではなく、自分に合った働き方を見つけることが大切です。

B型からA型へのステップアップ - 成功のポイント

就労継続支援B型からA型へのステップアップは多くの方にとって大きな挑戦です。A型事業所では雇用契約を結び、より高い水準の就労能力が求められます。

ステップアップに必要な基礎能力

A型事業所で働くためには、以下の基礎能力を身につけておく必要があります。

  • 出勤・時間管理:決められた時間に出勤・退勤できる習慣
  • 作業スキル:正確性とスピード、集中力と持続力
  • コミュニケーション:報告・連絡・相談の基本

A型では「時間を守る」ことがとても重要です。B型を利用中から、決まった時間に通所する習慣をつけておくと、ステップアップがスムーズになります。

就労支援コーディネーター

早すぎるステップアップのリスク

準備が不十分なまま移行すると、様々なリスクが生じる可能性があります。

  • 体調面・精神面での負担増加
  • 自信喪失につながる挫折体験

B型からA型へのステップアップは、一人ひとりのペースで進めることが大切です。支援員やご家族と相談しながら、自分に合ったタイミングでチャレンジしましょう。

A型から一般就労へのステップアップ

就労継続支援A型での経験を積んだ後、次のステップとして一般企業への就職を目指す方も多くいます。このセクションでは、A型から一般就労へのステップアップに必要な準備について解説します。

A型と一般企業の違いを理解する

一般就労を目指すには、まずA型事業所と一般企業の違いを正しく理解することが重要です。

  • 求められる能力:専門的スキルや自己管理能力がより求められる
  • 支援体制:A型より手厚い支援が少なくなる
  • 雇用条件:勤務時間や責任の範囲が広がる

A型では福祉サービスとしての側面がありますが、一般企業では「労働者」としての責任がより強く求められます。

就労支援カウンセラー

定着支援を利用する重要性

一般就労に移行した後も、「就労定着支援」というサービスを利用することができます。就職後最長3年間にわたって定期的な面談や職場での困りごとに対するアドバイス、職場との調整など様々なサポートを受けられます。

一般就労へのステップアップは、準備を十分に行い、適切な支援を受けながら進めることで成功の可能性が高まります。

ステップアップ成功のための実践プラン

就労継続支援B型からA型、そして一般就労へとステップアップするためには、具体的な計画と実践が欠かせません。このセクションでは、成功に導くための実践プランを紹介します。

自己分析 - 強みと課題を知る

ステップアップの第一歩は、自分自身をよく知ることから始まります。客観的な自己分析を通じて、強みを活かし、課題に対処する準備をしましょう。

  • 強みの発見:得意なこと、好きなことを書き出す
  • 課題の把握:苦手なことを正直に認識する
  • 障害特性の理解:自分の特性が仕事に与える影響を考える

具体的な目標設定の方法

効果的な目標設定には「SMART」の法則が役立ちます。

  • Specific(具体的)
  • Measurable(測定可能)
  • Achievable(達成可能)
  • Relevant(関連性)
  • Time-bound(期限付き)

スキルアップには「記録をつける」ことをおすすめします。小さな成長を可視化することで自信につながります。

職業訓練指導員

ステップアップは一朝一夕で達成できるものではありません。日々の小さな積み重ねが、やがて大きな成長につながります。

B型を長く利用する選択肢 - キャリアの多様性

ステップアップが全ての人にとって最適な選択とは限りません。就労継続支援B型を長期的に利用しながら、自分らしい働き方を実現している方も多くいらっしゃいます。

B型での長期就労のメリット

  • 体調や障害特性に合わせた柔軟な働き方ができる
  • 環境変化に敏感な方にとって、安定した環境で働ける
  • 専門的な支援を継続して受けられる

毎日通える場所があり、仲間がいることが何より大切です。B型で無理なく働く方が自分に合っていると実感しています。

Eさん(40代・B型事業所利用者)

B型でも実現できる自己実現

B型事業所を利用しながらも、様々な形で自己実現を図ることができます。

  • 手工芸品の制作技術を磨き、オリジナル製品を生み出す
  • 後輩の指導や作業の補助役を担当する
  • 地域イベントに参加し、社会とつながりを持つ

B型での長期就労は、自分の特性や希望に合った働き方として、積極的に選ぶ価値のある道です。

よくある質問と回答

就労継続支援サービスを利用する中で、ステップアップに関する疑問や不安を抱える方は少なくありません。ここでは、よく寄せられる質問とその回答をまとめました。

Q1: ステップアップの標準的な期間はどれくらい?

個人の状況や目標によって大きく異なりますが、B型からA型へは1〜3年、A型から一般就労へは2〜5年が一般的です。ただし、期間にこだわらず十分な準備をすることが大切です。

Q2: 障害特性に合わせたステップアップのコツは?

  • 発達障害:環境変化への準備、視覚的サポートの活用
  • 精神障害:体調管理の徹底、段階的な負荷の増加
  • 身体障害:職場環境の確認、合理的配慮の準備

自分の特性を理解し、必要な配慮を求める力も大切なスキルです。苦手なことを無理に克服しようとするより、強みを活かせる環境を選ぶことも大切です。

障害者就労支援カウンセラー

Q3: 失敗しても大丈夫?

ステップアップがうまくいかなくても、それは貴重な経験です。振り返りを行い、より自分に合った計画を立て直して再チャレンジすることができます。

ステップアップが難しいと感じるときの対処法

ステップアップを目指す過程で、壁にぶつかったり思うように進まなかったりすることは誰にでもあります。このセクションでは、そんな時の対処法について考えていきましょう。

スランプを乗り越える方法

  • 小さな目標に分ける:達成可能なステップに細分化する
  • 成功体験を振り返る:これまでの成長を確認する
  • 休息を取る:無理をせず適切な休息も大切

支援者に相談する際は、「何に困っているか」だけでなく「どうなりたいか」も伝えると、より具体的なアドバイスがもらえます。

就労支援コーディネーター

無理なく進むための工夫

自分の特性や状態を客観的に理解し、段階的なステップアップを心がけましょう。

  1. 現状の安定期:現在の環境で安定して過ごせることを確認
  2. 小さな変化:作業時間を少し延ばすなど小さな変化を導入
  3. 適応確認:変化に適応できているか確認し調整

焦らず自分のペースで進めることが、長期的な成功につながります。

まとめ - 自分らしいステップアップを見つけよう

この記事では、就労継続支援B型からA型、そして一般就労へのステップアップについて様々な角度から解説してきました。最後に大切なポイントをまとめます。

ステップアップの多様な形

  • 垂直的なステップアップ:B型からA型、一般就労へ
  • 水平的な広がり:同じサービス内でスキルや役割を広げる
  • 専門性の深化:特定分野での技術を高める

大切なのは、自分がどこで最も生き生きと過ごせるかを見つけることです。ステップアップの形は人それぞれです。

障害福祉サービス管理責任者

あなたのステップアップの形は、他の誰とも同じである必要はありません。自分のペースで、自分らしく一歩一歩前に進んでいきましょう。

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